ネパール その2


路上で絵を売ってみよう!

 

翌日、難民センターを一緒に訪問した子とカトマンズ散歩。

 

描いてたイラストを見せたら

「絵を路上で売りましょう」と提案。

えっ?と思いつつ、おもしろそうなので動き出す。

 

ポストカードサイズのイラストをカラーコピー出来そうな店を探す。

 

白黒のコピーはあっても、なかなかカラーコピーがない。

あっても1枚50円。しかもぺらぺらの紙なのでよろしくない。

 

困ったーと二人で唸る。

コピーが駄目なら似顔絵描きますかって話に!

 

似顔絵はほとんど描いた事ないなぁ…とびびる。

結果はどうあれ、やらねばおもしろいことなど起こるはずがない!と

ビビリつつも路上で似顔絵を描くことに。

 

そうと決まれば下準備。

 

二人で決めたおおまかなことは

○お金儲けよりも楽しさ優先(ネパールの人と仲良くなろう)

○カメラで本人を撮影して1枚30分で描く(その間お客さんはどこかに行っていてもいい)

○疲れたら即退散

 

ということで部屋に一人でこもって似顔絵の見本制作。

 

言葉が通じんから、絵でこうゆうのが出来ますって伝えないとわかってもらえそうにない。

 

 

 

 

 

路上で絵を売ってみよう!2

翌日、二人で路上できそうな場所を探す。

 

タメルチョークという広場で布を広げて路上開始!ドキドキ。

 

客は来やんよな〜日向ぼっこできればええかと思っていたら

路上の準備段階で10人くらいの人だかりが!

 

二人ともパニック。あたふたしながら色々質問攻めにあい、

リスニング出来ずに彼女に通訳をしてもらう。

 

なんでこんなことやってんの?

観光客が来るとこでやれば?

お金ないの?

タダじゃないの?

などなど。

 

関心の的となったけれども肝心の注文は無い。

なのでちびっ子の似顔絵をタダで描くことに。実演!

 

 

へた!!笑

 

昨日は部屋で描いてたから平常心、緊張もせんかったけども

この日は日差し&10人以上のネパール人&好奇の眼差し!

 

プレッシャーに弱し。

 

しかし全てをひっくるめて実力なので、少女に絵を手渡す。

真ん中の女の子、愛想笑いくらいしてくれ〜!

 

しかし実演のおかげか、おっちゃんとお兄さんから1枚描いておくれと言われる。

値段は1枚50ルピー。日本円で60円。

ネパールでは50ルピーで1食くらいの値段。

 

腰痛をこらえつつ、2枚を描き上げてこの日は撤収!!早い!笑

 

稼いだマネーでお茶とランチをして初日は帰宅。

路上の風景はこんな感じ。まだまだしょぼいね〜。

 

あっ!手持ちの写真全部使いきった!

 

路上で絵を売ってみよう!3

翌日も路上販売。

 

今日は手伝ってくれてた女の子が用事らしく一人で広場へ。

 

と思ってたら道ばたで彼女と遭遇。

用事済んだとのことで二人で昨日の広場へ。

 

カトマンズは小さい町なので歩いてると知り合った人と出会う。

 

路上準備をしていると雨がぽつぽつ。

そのうちザァーっと降ってきて、1時間くらい粘ったけど撤収!!

 

周りにいたおっさんたちがパニポニョ(雨が降った)って口々に言うてて可愛かった。

 

翌日も路上へ。

 

昼の1時から路上開始。

そこから夜の7時まで途切れる事無く似顔絵の依頼。

 

依頼してくれたのは皆ネパール人で広場の周りに住んでる人達。

うれしかった!うまく描けないのがあったり、英語のbeautifulをbeatfulに

してしまったり…!

 

それを受け取った女性は眉間にものすごい皺をよせてた。。

 

その日は6時間座って、計8枚の似顔絵と2枚のイラストが売れて460ルピーゲット!

腰痛も激しさを増す!

 

あー嬉しい楽しいやってよかった。

あの地道に描いてた日が、今日皆に喜んでもらえるための日々と思うとジ〜ンとくる。

 依頼してくれた皆と写真撮影したり。握手したり。皆良い人。

 

自分の絵でこんなに喜んでもらえる、こんなに嬉しいことは無い!

 

ものすごく疲れたけど、心地いい疲れ。

しかし!

次の日、風邪ひく→のちに入院

 

 

まさかの展開

 

路上も盛況に終わって、手伝ってくれた女の子と食堂で打ち上げ!

ありがとう!

 

次の日はポカラ(町)へ移動。

 

朝起きると風邪をひいてた。

完全に疲れからきた。

 

朝からチャイを何杯飲んでも体調が良くならず。

 

移動日に体調崩すのが一番つらい。

体調がすこぶる悪いなか、オンボロバスで山道をくねくねと7時間。

 

昼過ぎになんとかポカラに到着。

 

待ってましたよとばかりに客引き、なんかムキになってノン!って言うてたら

体調悪いのに歩いて宿さがすはめに。

 

ポカラのレイクサイドという町を目指す。

 

2時間くらい歩いて宿探し。体調悪いのに歩きすぎ阿呆。

1泊400円の宿に決定。

 

バックパック背負っての宿探しで体調悪化、阿呆すぎる!

とにかく体調を良くしようと昼寝。それでも体調良くならず。

 

腹は減ったので食堂で奮発して80ルピー(120円)のチキンカレー喰う。

それでも回復せん!

やれることは早寝の就寝のみ。

 

起きたら体調良くなった!って

計画やったのに最早だるくて起き上がれず…こうなると一人旅は地獄。

 

 

外出する力がなく、発熱と寒気が酷い。

 

食欲も無く吐き気もする。この辛い症状のオンパレードの中

ひたすらipodの中に入っているポッドキャストというラジオを聴きまくる。

 

「山里亮太の不毛な議論」「エレ方のコント太郎」「シネマ4の字固め」

「ゲーム脳ばと」などを聴いて体調の回復をひたすら待つ。

 

しかーし!病原体も粘るし逞しい。

丸三日間、ポカラの安宿で寝込む。

 

眠りに落ちても1時間後にしんどさで目覚めて寒気と発熱の繰り返し。

何かを食べねばと思い、食堂に行けど吐き気で全部残す始末。

 

これはマズいと思い始めた頃、食堂にて、いかにも怪しそうなネパール人に

声をかけられる。

 

奴の名はシバ。

色黒+ドレッドヘアー+カタコトの日本語+自分のことを”シバさん”と呼ぶ

こういう輩を要注意人物という。

 

絵に描いたほど怪しいやつ!

おれが食堂で死人のような顔でヨーグルトをすすっているにも関わらず奴は

 

シバ「トレッキングに興味ないか?シバさんがアンナプルナに連れてってやる」

水「今しんどいで話できん」

シバ「シバさんは今まで日本人を連れてアンナプルナに何度も登ったよ」

水「話聞いてくれ」

シバ「なぜシバさんのこと信用しない?」

水「初対面やからや」

 

本当にこんなやりとり。マイペースシバさん。

やっとおれの顔色に気づいたシバが「風邪?病院いく?」

藁にもすがるし、シバにもすがる、返答はイエス。

 

この会話を交わしたのは夜だったので、翌日の朝9時に食堂で待ち合わせ。

 

翌日、くさった死体みたいに食堂へ。

15分遅れてシバさん登場。

 

以外に早く来たなこやつ。雰囲気の割にちゃんとしとるやんか。

しかし彼は煩悩の塊。

 

荷物持とうかと言うてくるけど奴の背後にチップチップチップって煩悩が見える。

 

チップ欲に取り付かれてますシバさん。

なんで分かるかってご褒美欲しそうな顔してる。

 

二人で少し歩いて病院へ。

 

三階建てのホテルを改装した病院。なんか不安。

しかし少しでも体調を良くしてくれるならどこでも良い。なんだって良い。

 

現れたのは医者は、ぷくぷく太ったおじさん。

お腹のぽっこり具合と二重あごがすごく可愛いらしい。

 

彼のお腹でプヨプヨしてーなぁと退院するまで思ってたが言えず。

 

治療代は保険で支払えるとのことで一安心。    

 

気になる診断は…病名不明!

おぉぉい!医者!しっかり!

そして入院。

 

まさか日本出発前は入院なんかするかいって思ってたんにまさかのまさか。

でも旅のリタイアだけはイヤやったで良かった。

 

誰が一番がっかりしとるってシバさん。

おれとトレッキングしようと企んどった彼はショボーン。

チップで100ルピー渡そうとすると断られる…えっそんなにへこんでるん?

 

そして暇と退屈と空腹の5日間が始まる。

 

人間あまりに退屈になると奇怪なことしますわ。

そんなぼくを攻めることは誰にもできませんね〜。

 

退屈はブーメラン

 

入院開始。

 

点滴打ちながら1日中ベットの上でごろごろ。

 

入院生活での娯楽といえば絵を描く、テレビを見る、本を読む、これくらい。

病院の飯は不味い。味覚の楽しみは皆無。

 

いかにこの放ってもすぐに戻ってくる退屈というブーメランをやり過ごしたか。

 

まず絵を描く、けれど体調が良くないと気がのらないのである。

ベットの上で描くと腰痛。

 

しかしビシャスっていう看護士、いやただの無法者みたいなドクター助手なんやけど

そいつに絵描いてるとこ見られて、おれの似顔絵描いてくれよっ!って言われた!

 

ビシャスは彼はぼくが入院した日から働き始めたらしい…オイ!

 

えっ?しかも素人ってことでたまげましたわ。。。

ぎりぎり根は悪いやつではない。

 

泣く泣く似顔絵をプレゼント、そうすると古株の助手ビルがおれにも描いてよって。

病人なので回復させてほしい。

 

でも彼奴らはおかまいなし!己の欲求にまっしぐら。

 

またも泣く泣くプレゼント。そうするとビシャスが大胆不敵にも

自分の実家の食堂にね、でっかい似顔絵を飾りたい!

A4サイズ以上で描いてと言いやがった!

 

関心するくらいの遠慮の無さやなぁ…

 

元気なときならオッケー!ってなってたやろけど、さすがにムッとして

200ルピーでなら描くよと交渉。ポストカードが50ルピーやったから

その4倍以上の大きさなら200ルピー。

 

そうすると少し迷いつつ、やっぱりいいやと帰っていった。

僕が元気なときに言うてください。喜ぶから。

 

 

退屈はブーメラン2

退屈なのでテレビを見る。

 

ネパールは昼の2時から夜の6時くらいまでしか電気来やんから

テレビ見れるのは貴重。

 

英語やネパール語わからん。

洋画は雰囲気で理解できる。

 

以下、鑑賞した映画↓

 

○チュンリー(最後の気功拳はないっしょ〜)

○フォースカインド(ミラジョボビッチが美しい)

○ジェイソンみたいなやつ(ホラーに国境なし)

○3流のモンスターパニック映画(辛い事このうえなし)

○トリプルX(たいくつ)

○イナズマイレブン(ベターでおもしろい)

○おそまつくん(気が狂う)

○忍者ハットリ君(上と同じ)

 

このラインナップを延々と見るはめに。おそまつくんを2時間くらい見続けると

頭がおかしくなりそうになる。

 

絵とテレビが駄目ならば読書!

手元にあるのはクソ真面目な「代表的日本人」「武士道」「学問のすすめ」

 

「代表的日本人」はかなりおもしろかったけど、

あとの2冊はおれのレベルでは辛いわ。

 

でも何か本を読みたい!外出許可をもらい古本屋へ。

藤沢周平の「天保悪党伝」を購入して一安心。

 

退屈にトドメをさすかの如く、帰り道に食堂にて漫画を借りる。

 

「気まぐれオレンジロード」「シティーハンター」「明稜帝梧桐勢十郎」

「ボンボン坂演劇部」「山下たろーくん」「第三野球部」

 

というラインナップから「明稜帝梧桐勢十郎」をチョイスして

食堂の主人と交渉!

 

ボーイング(確か退屈って意味)を連呼して、3日後に返すから貸してと伝えると

デポジットという保証金を払えばええよって。

 

500ルピー払って明稜帝梧桐勢十郎(全10巻)を担いで帰る。

 

これで退屈を凌げると思いきや、藤沢周平も明稜帝梧桐勢十郎もハマらず。。。

 

藤沢周平はなんとか最後まで読めた。

 

明稜帝梧桐勢十郎は2巻でギブアップ。

無難にシティーハンターにすべきだったと猛省。

 

最後の砦はご飯。まーこれまたおいしくない!笑

 

朝ご飯のトーストとジャム、フライドポテトが一番うまい。

昼のチョウメンという焼きソバ、夜のダルバート、味せぇへん。

悲しきかな、病院のご飯。

 

朝ご飯の楽しみだけで生き延びる日々。

 

入院3日目くらいになると、おかしくなり始める。

以下、気の狂った水谷君の行動↓

 

○笑ったこと全て書き出す

 

○泣いたこと全て書き出す

 

○好きな人を全て書き出す

 

○帰国したら何するかリストを作る

 

○こんなポケモンを使う奴いたら強敵だ!という妄想リスト作る

(熟考の末、ゴルダックやドククラゲ、モンジャラ使う奴は強そう)

 

○ファイアーエムブレムのパーティー考える

(回復係を増やすかジェネラル入れるか迷う)

 

 

○好きなものやかっこよさを感じるのもなど、好意を抱くものを全て書き出す

 

○ノートに勇者とモンスターを描いて、さらに両者のステータスを作り

 コインの裏表で攻撃、魔法、ミスなどの設定を作り、戦わす。

(ポカラクエストと名付ける)

 

 

○あまりのゲームのやりたさにドラクエの呪文を書き出す

 

○今までプレイしたゲームを全て書き出す

 

○ガンダムシリーズに出てくるモビルスーツを思いつく限り書き出す

 

 

…お気づきいただけたであろうか?

 

あなたは今、人間の狂気に触れたのです。。

あまりの退屈さに今見直しても狂ってる。

 

 

次のアンナプルナトレッキング日記は元気を取り戻しますのでご安心ください。