アリゾナ州フェニックス

アメリカの下らへん メキシコに近い

 

滞在日数:10日

英語ばっちし通じる 

1泊1600円(ユースホステル)

自炊で1食は200円前後

 

気候:じごくのように暑い

お腹ぺこぺこコンチネンタル航空

 

なんだかんだフェニックスまで日記が進むとは…!

 

朝8時に起きて皆とお別れ。

さらばラブリッシュ!

 

ニューヤーク空港(誤字じゃないよ、ニューヤークだよ)に

列車で向かう。

 

フライトの時は、空港に早めに向かうがドキドキすんべ。

アメリカ人は発音が早すぎて、何言うてるかわからんから情報収集に手間取る。

 

無事、搭乗しておれは楽しみにしてんやで機内食!

コーラも飲み放題や。

 

おい、コンチネンタル航空。

説明せいや、機内食が有料ってどういうことや…

こっちは腹ぺこで搭乗したんやぞ、機内食をおいしく食するために…

隣りのおっさんカードでピッピッって払って食うてるわ…

 

憶測。

たぶんチケット代を安くするために機内食など

余分なサービスを省いてるんとちゃうかな。

 

機内食を食べる人は皆、カードで支払ってるわぁ…

現金むりやぁ…カード社会や…腹ぺこすぎて辛いわぁ…

 

機内食ムリなら飲み物っつうことで、がぶがぶコーラ飲んだった。

恨みの気持ちを乗っけてな。

もしかしてコーラでさえ有料じゃね?とビクビクしたわ。

 

空腹を紛らわす為に、どこぞやで手に入れた宮部みゆきの

「ふるえる岩」を読んでたらフェニックスに到着。

 

小説がおもろなくて、空腹紛れやんかった。

 

そしてなんじゃこの暑さは。

インド、エジプト、モロッコ凌ぐやんけ。

 

そして宿探し遭難がまたも始まる。

 

 

心弱り、見知らぬ親父のジープに乗ってしまう

 

昼過ぎにフェニックスのスカイハーバー空港に到着。

さてどうしたものか。今夜の宿の地図しか頼るものがない。

 

空港のスタッフに聞きまくると、路線バスで行けとのこと。

空港のシャトルバスで、路線バスの走るメイン道路へ。

 

メラメラメラメラ。

気温がものすごい、日差しが痛い、痛すぎる。

 

湿度はないけど、直射日光が精神力と体力を奪ってくる。

インドの暑さは腹立つ暑さ(人がうじゃうじゃやから)

フェニックスは心折れる暑さ(暑さで夜までゴーストタウン)

 

こりゃ参ったと思いながら路線バスに乗り込む。

バックパック背負ってるから、中国人の女の人にどこ行くのって聞かれる。

 

宿の住所見せたら次の駅で降りなさいって。親切。

ただ歩いては行くなって言われた。タクシー使えって。

理由は暑いから。ただただ頷いた。

 

頷いてバスから降りたはいいもののタクシーなんて走ってない!

水谷は歩く。ただただ歩く。

 

2時間くらい歩いて迷子になる(まじばかあほんだら)

虫の息。虫に失礼。

 

1時間前に犬の散歩してたおっちゃんに、宿への道聞いたら

「この道をずーっと真っすぐ行けば着くよ」って言うもんやから

信じたら迷子に!地図を信じれば良かった。

 

完全に心砕かれ、日陰の岩で30分目を瞑ってへたり込む。

ふと、目を開けると新たなるおやじ。

 

親父:ヘイ、ボーイ、アクシデント?

水谷:イエス。

親父:ドウシタンダ?

水谷:迷子や。(そっと地図見せる)

親父:5ドルで送ってヤルゾ。

水谷:頼んだっ!

 

足と心を引きづりながら、おやじのジープへ。

ジープには奥さん?らしい女性が。

 

二人とも40代くらいで、ジープはキャンプ用品でごちゃごちゃ。

この二人も旅をしてるっぽいけど、雰囲気が怪しいことこの上ない。

 

しかし水谷くん、藁どころか糸くずやアメンボにもすがりたい心境。

甲子園で連投してるピッチャーくらい疲れているのだ。

 

変なとこ連れてくなよと願いつつ乗車。

トルコのボッタクリバーで心ぴよったから、いざとなったら

カバンは置いて、旅中で描きためた絵だけ持って逃げようと準備。

 

心配をよそにスムーズに宿に着く。

感謝の気持ちを日本語で伝えつつ(疲れて頭回らん)

5ドル渡してグッバイ!

 

彼らは何者だったのか…摩訶不思議なやつらや。

無駄なところで体力を消費しまくる水谷にしびれを切らした

何者か(ゆうれい、かみさま、しゅごれい、UFO)が具現化して助けてくれたのか?

 

ユースホステルで宿泊代の20ドルを払って、

ペットボトルの底に長年沈む、沈殿物のように朝まで眠ります。

 

女主人メリーのプチ嫌がらせ

 

ぐうぐう。

朝目覚めて、朝食を食べ居間のソファーでも寝る。

 

水谷に生気は無し。

ニューヨーク疲れと宿探し遭難で、この旅一番疲れてる。

 

フェニックスに4日滞在なので、全日数を休養にあてることに。

帰国してから疲労が、ドバッと来るのも恐ろしいので早めの休息。

 

そんな怠け者してたら、宿の女主人メリーに目をつけられた!

 

ヘイ、ケイタ!ユーはいつ出発するんだい?と何回も聞いてくる。

公式のユースホステルは確か1週間以上の宿泊はできない。

 

4日くらい大丈夫と思ってたのに、ソファーと一体化して全く動かない

ジャパニーズを見て不審に思ったのか?

 

1日に3回も出発日時を聞いてくる、やめてほしい。

どうやってグランドキャニオンまで行くかもわからんしなー。

 

しかしこのフェニックスのユースホステルは最高に居心地が良い。

ベストオブ宿かも。メリー以外は。

 

田舎にぽつんと平屋で建ってて、ベッド数も10くらいで程よい。

アットホームな雰囲気もあり、流れてくる音楽も素敵。

さらにキッチンと冷蔵庫あるから嬉しい。

素晴らしい。メリー以外は。

 

その夜は皆でバーベキューやるってんで参加(ちょっと渋々)

バーベキューの準備手伝おうとしたら、古株のイワンって

おじいちゃんに火起こしてって言われる。

 

火の起こし方わからんって言うたらメリーの手伝いしてきて

くれとのことで、メリーのもとへ行く。

 

するとメリーは庭掃除してくれって。

え?バーベキューとは全然関係ないこと頼んだなおめー。

まさかですわ。でもひまやから、せっせとほうきで庭掃除。

 

庭掃除が終わると皆でバーベキュー!

近所のおっさん、子供と一緒に食べる。

久々の肉!むしゃむしゃ。

 

アメリア人はワイルドやなぁ。

骨付き肉をむしゃむしゃ食べてますわ。

ぼく、骨付き肉2本で満腹になったわ。

 

その晩、メリーにお前はこのままではダメだとのこと。

(ソファーでぐったりしてるだけのおれを、更正させたいらしい)

長旅で疲れてるんですけど…と何度説明してもダメ。

 

明日の朝に、宿から10ドルのツアーが出るから参加しろって言われる。

ぬぬぬ…メリーの圧力に屈する水谷。

 

しかしそのツアーで、カップル誕生を目のあたりにするのである。

 

 

カップル誕生と残された男共

 

えぇい腐るな男児よ。

 

4人乗りジープに5人乗ってツアー出発。

男×4(おじいちゃん、イギリス人2人、水谷)

宿の手伝いガール(でかい)

行き先聞いてないから、どこ行くかわからん。

 

ジープがぎゅうぎゅう。

ジープがオンボロすぎてクーラーが作動せず。

暑い、暑苦しい。

 

2時間くらいかけて、僻地に到着。

 

なんか近未来都市を近いうちに建てるのか

SFっぽい建築の看板があちこちに。

 

ぬーん。

観光客ちょっとおるけど、めちゃつまらんスポットや…

展示物の鉱石や、近未来のラフスケッチ見せられてもなぁ。

映画のCG見た方がおもろいで。

 

へそを曲げた水谷くん、館内の説明ツアー始まるところで

グループから外れてロビーで昼寝。

 

30分くらいで目覚める。

ジープに置いてかれたんじゃねーかと思ってメンバーを捜す。

 

メンバー発見!

彼が言うには「館内ツアーはくそつまらんくせに、チップでお金もってかれたぜ…!」

 

ジープに置いていかれたと、青ざめてたのは彼には内緒。

 

昼過ぎに次のスポットへ。

帰りたくてしょうがない!でも言えない!

 

次はジュロメっていう小さな町へ。

バーでコーラを飲んだり、雑貨屋を巡ってやることなくなる。

 

ベンチで座ってたら、宿のガールとイギリス人がいちゃついてる。

まさかの展開。

イギリス人は旅行中にユースホステルを利用してて

おれに気を使ってくれる良い人。

 

車内からイチャイチャしてたけど、雰囲気は恋人。

ジュロメを出発して、夕焼けを見ることに。

 

野郎共(おじいちゃん、おれ、イギリス人のもう1人)は

3人で夕焼けを眺める。苦渋を舐めたような顔で。

 

だってすぐ隣りで、このツアーで誕生したカップルが

むちゅむちゅしてるんやもん。

そりゃ渋い顔になるわ。

 

勝手に大ダメージを負った男児3人。

 

車内でも、むちゅむちゅする2人を見て見ぬ振りをして

ユースホステルに帰宅。

 

帰りのジープで、男児3人の口数が少なかったことは言うまでもない。

 

 

世界遺産よりもメジャーリーグ!

昨夜のダメージを引きづりつつ、起床。

 

宿に加藤くんという学生が泊まりに来てて

グランドキャニオンへの行き方を聞く。

 

空港からシャトルバスが出てるらしいので

申し込みに行く。

 

べらぼうに暑い中、路線バスを使って空港へ。

命を吸い取られるような暑さや。

 

フェニックスの6月平均気温が39℃らしい。

7月は平均気温41℃だそうで。爆裂暑い。

 

空港でグランドキャニオンへの観光拠点の町

フラッグスタッフまでチケットを40ドルで購入。

 

空港からひいひい言いながら帰宅。

帰りに竜巻見た。民家の庭でハリケーンが渦巻いてる。

 

50メートルくらい離れて見てたら

竜巻が急にスピードアップして近づいて来たから

水谷ダッシュで避難。

 

はぁはぁ言いながら宿に帰ったら、古株イワンとメリーに

昼間は暑いから外出するなって怒られた。しょぼーん

 

そして今宵はメジャーリーグへ行くぜよ。

加藤くんにフェニックスを本拠地とする

ダイアモンドバックス(以下:Dバックス)の試合が

いつあるか調べてもらったのだ。

 

スタジアムが宿から徒歩15分のとこにある。

ぜぇぜぇ言いながら夕方にスタジアムへ行き、外野席を16ドルで購入。

 

入り口を間違えて入ったら、初老のおじいちゃん警備員に

入り口はあっちだよと教えてもう。

 

去り際におじいちゃん警備員は、拳をこっちに向けて来た。

ん?と思ったら、ホームラン打ったときの選手同士の挨拶の仕草か。

(グーとグーで拳をコツンと合わせるアレね)

 

おじいちゃんと拳を合わせてグッバイ。

ちょっとグッときた。

 

球場に入っても感動しっぱなし。

この感動をどう例えればええんやー。

 

とにかくウロウロした。

嬉しくて楽しくてスキップしてしまった。

 

ワクウキドキ!

試合が始まっても興奮覚めやらず。

1年中ドラゴンズファンだったが、この日だけはDバックスファン。

 

点が入ればガッツポーズして、ファインプレーが出れば敵味方関係なく皆拍手。

そしてメジャーリーガーのレベルが高い!

 

エラーも無いし、送球のスピードも速い。

出てくるピッチャーも球速くコントロールも良い。

 

変化球もぐいぐい曲がる。さらに球が重そう。

ずっしりとした球を投げますわ。

(ピッチャーの球云々は外野席からは良く見えず。

 後のグアムでメジャーリーグをテレビ観戦時の感想とミックス)

 

海外に行った日本人選手が、打率や本塁打数を軒並み落としてしまう

理由がなんとなくわかった。

コントロールの良い元巨人のクルーンが普通にいる感じかな?

 

イニング間の催しも、エンターテイメント。

 

カメラマンが観客席のカップルを、巨大モニターに

映すというイベントに肝を冷やす。

 

移されたカップルはキスをするというシステム。

水谷くんの両隣りはおやじ。

 

両隣りどころか、縦横斜め、東西南北、古今東西、四方八方全ておやじ。

 

おやじゾーンの中心に水谷。

 

何を恐れたか。

カメラマンの操作ミスと、彼らの心の中に潜む茶目っ気に。

 

巨大モニターに映されたカップル(老若男女)は

次々にキスをしていく。

最後のオチで男同士ってシナリオをこの娯楽溢れる

現世でどう否定できようか。

 

ミスや茶目っ気で、おれとおやじが巨大モニターに

映し出されていたならば、めでたくキスしていたであろう…

中年夫婦のキスでイベントは幕を閉じはしたが、ほんまドキドキやで…

 

Dバックスはジャイアンツに負けたけど、満足して帰宅。

 

9回裏3点差でも、ファンは全く帰る素振りなし。

勝ち負けの前に、野球を楽しんでますな。

 

翌日、グランドキャニオンのふもとの町フラッグスタッフへ。

 

フェニックス2に進みます。